cave hatano

醸造家のひとりごと

自給率

2022/06/17

2011、3、11 私はワイナリーの社員であり社員寮に住んでいた。

スーパーの棚から食料がなくなり、ガソリンが無くなり、輸送は途絶え

人生で初めてお金があっても食べ物が買えない(実際はお金もなかったのだが)

という事が現実に起こりうるのだと感じた。

 

翌年、私は家を買い、農地を借りた。

あの時、会社の近所の農家さんは全く動じていなかったから。

米も味噌も豆も冬熟野菜も野沢菜漬けもあったのであろう。

それだけあればスーパーに行かなくても数ヶ月は食っていける。

 

あれから10年近く経った今、また食料危機が現実に起こりうる状況になりつつある。

現在、我が家の自給率は格段に高くなった。

いつでも食材を共有できる近所の仲間の生産品も合わせれば

米、野菜、卵、豆、味噌、醤油、油、小麦、一部の肉、お酒

非常時で贅沢を言わなければ自給率98%位(塩はないので–2%)にはなるしワインは飲み放題だ 笑

週一くらいでスーパーなどで買うものと言ったら豚肉、海産物、乳製品、調味料くらいで

買い物カゴの半分くらいにしかならない。

 

この国の自給率の低さにはもっと関心と危機感を持つべきだと思う。

エネルギーもない鉱物もない。資源に貧しいから工業生産と技術で頑張ってきた。

それは理解するけれど、いざと言う時に食うものがなけりゃ。。。

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